偏芯
シュミットカップリングは、両軸芯の半径方向非整列(芯違い)時に使用します。許容最大偏芯量、シュミットカップリング作動における最小偏芯量及び最大許容範囲は、規格及び性能表をご参照下さい。
作動時最小偏芯 (Minimal Radial Offset △Kr min)
シュミットカップリングは軸が水平方向偏芯△K=0の場合、作動しません。中央ディスクの正確な位置定義がされないだけでなくカップリング自体の微細な荷重変化や動きによって意図しない動作が生じることもあるので、円滑な動作のために両軸間の最小偏芯量(Minimal Radial Offset△Kr min)が必須です。下図(Figure1)は、水平方向の最小偏芯量(△Kr min)を表現しています。(場合によって垂直方向に最小偏芯量をとります。)この場合、中央ディスクは両軸に結合しているディスクよりも高い位置又は低い位置になることがあります。(Figure2)
適切な最小偏芯量(△Kr min)は、カップリングのサイズに基づいて決まります。
最大偏芯 (Maximum Radial Offset △Kr)
シュミットカップリングは、半径方向に大きな軸間位置の差(Radial Offset)がある際、トルクを正確に伝達するために設置します。軸方向の最大許容変位(Maximum Radial Offset△Kr)は、カップリングのサイズと構成するリンクの長さ/奥行き等によって決まり、その値は最小偏芯量(△Kr min)に調整範囲分を加えた合計となります。(Figure3)
Figure4は、両軸間の偏芯が最小から最大まで変化した場合、その変化量に合わせてシュミットカップリングの中央ディスク位置が変化することを示します。中央ディスクの位置はカップリングリンクの長さとピッチによって決まり、決定条件に応じた特定の位置(Position)に配置されます。
一般的に中央ディスクの正確な位置把握は使用上特に必要ありませんが、稀に干渉する場合があります。その場合、必ず正確な位置情報をご確認下さい。
カップリングの最大直線変位(Maximum Linear Range of Coupling △Kv)
使用不可設置例
- 初期設置時に両軸間の偏芯が△Kr min以下の場合は作動しません。(下記左図参照)両軸間の偏芯がまったくないKr=0の場合、両Linkが垂直に配列されます。このような場合は中央ディスク位置の特定ができず、カップリング自体の微細な動きによっても中央ディスク位置がずれてしまいます。駆動には最小△Kr minの確保が必要です。
- 両軸間の偏芯が△Krを越える場合、カップリングは作動しません。(下記右図参照)