最大トルク検討
最大トルクは、モーターの回転速度(R.P.M)と容量、減速比等に基づいて計算されます。モーターのトルク情報がない場合は必ず下表の安全係数を用いて算出して下さい。
- Tmax = 発生トルク [Nㆍm]
- Pmax = 最大モーター容量 [kW]
- N = 回転速度 [rpm]
- i = 減速比
- SF = 安全係数
負荷条件 | 安全係数 (SF) | |
---|---|---|
慣性小 | モーターの常用トルク60%以下、使用衝撃なくスムーズな運転 | 1.5~2.0 |
慣性中 | 加/減速時間が長く、正/逆転運動が制限される場合、衝撃の若干あり | 2.0~3.0 |
慣性大 | 加/減速時間が短く、衝撃や振動が頻繁な場合 | 3.0~5.0 |
Tmax (モーター発生トルク) < Tc (A.P. Lockの最大許容トルク)
モーターの最大発生トルク(安全係数を考慮)は、A.P.Lockの最大許容トルクよりも必ず小さくなります。
スラスト荷重
P (最大スラスト荷重) < Pt (A.P. Lockの最大許容スラスト)
A.P.Lock 締結部位で受ける最大スラスト荷重は、A.P.Lockの許容スラストよりも必ず小さくなります。
トルクとスラスト荷重の同時発生
トルクとスラスト荷重を同時に受ける場合は、下記の式を用いて負荷を計算して下さい。
- Tcomb = 複合負荷 [Nㆍm]
- Pmax = 最大モーター容量 [KW]
- N = 回転速度 [rpm]
- d = 軸径 [mm]
- P = スラスト荷重 [N]
- SF = 安全係数
Tcomb (複合荷重) < Tc (A.P. Lockの最大許容トルク)
トルクとスラストによって生じる複合負荷は、A.P.Lockの最大許容トルクよりも必ず小さくなります。
許容トルクの増/減
- 許容トルク増加
A.P.Lockを複数使用する場合、許容トルクとスラスト荷重が増加します。軸表面またA.P.Lock 内側の異物は除去して下さい。 - 許容トルク減少
キー溝がある軸の場合、接触面積の減少により約20%程度許容トルクが減少します。
軸設計の検討
- 軸の公差は各モデルの説明ページをご覧下さい。
- 軸材質強度の検討
- σs : 軸材質の降伏応力 [Mpa]
- Pi : シャフトに加わる面圧 [Mpa]
- 中空軸の最大内径を決定
A.P.Lock 締結時は軸に高い面圧が加わります。中空軸設計の際は、必ず下記の式をご参考下さい。- di : 中空軸内径
- d : 中空軸外径
- σs : 軸材質の降伏応力 [Mpa]
- Pi : シャフトに加わる面圧 [Mpa]
ハブの設計検討
- ハブ内径公差は各モデルの説明ページをご覧下さい。
- ハブ材質強度の検討
- σh : ハブ材質の限界応力 [Mpa]
- Po : ハブに加わる面圧 [Mpa]
-
ハブ最小外径の検討
該当材質の資料がない場合は下記の式をご参考下さい。- Do : ハブの外径 [mm]
- Di : ハブの内径 [mm]
- σh : ハブ材質の限界応力 [Mpa]
- Po : ハブに加わる面圧 [Mpa]